モアイの誘い
ムーチャスエルテのジフ ムーチャ・スエルテはスペイン語で『がんばって』という意味です!!

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COLOMBIA
第 9 話
消えた6000ドルを取り戻せ 後編
2000年05月24日

1ヶ月ほどは洗っていないような
鳥の巣のような髪の毛。
襟が年寄りのひだのように
だらりとたれさがり、
色あせたT-シャツ。
足の指先が靴からはみ出しそうな
くらい使われた靴下

長身でブラックの血をひいていると
思える40代に見える男が僕が現れるのを待っていた。
昼間僕がパスポートに懸賞金をかけて
住所を教えた男の1人だ。

僕はこういうピンチのときに人に
困った顔を見せるとつけ込まれるので
かなり強気で自分から先制して話しかけた。

『 おっす。やっと持ってきたか。
  遅かったな。明日になったら再発行しようと思っていたから
  ぎりぎりだよ。
  全部持ってきたのか?パスポートだけか?』

その男が答える。
『 ああ。パスポートがあるんだ。
  本当に金をだすんだろうな。』

自分は自分の持ち物に関心がないように、
また、忙しい時間をとるなといいたいばかりの
態度で面倒くさそうに答える。

『 ああ。もちろんだすよ。
  俺は約束は守る男だからな。
  今、ここにポケットの中に金はある。
  持ち物があるならすぐ金はだせる。 』

『 おい。お前、警察には連絡してないだろうな。 』
『 ああ。連絡してない。
  警察沙汰にはしないと約束しただろう。
  俺はただ、自分のものが戻って来ればそれでいいんだ。 』
  
やつが答える。

『 ああ。そうか。
  パスポートは俺のダチが持ってくることになるから
  約束してる場所まできてもらうことになる。
  おい。ここからでるぞ。』

僕は答える。

『 ここに持ってきてないのか?
  ここに持ってくれば金は渡すといったはずだぞ。
  明日になれば、すべて再発行できるし、場所を代えるのは面倒だ。
  本当に俺のものを持っているのか?
  嘘じゃないのか 』

『 いや。本当にあるんだ。
  そこにいけばダチがもってくることになっているから。
  ここからすぐなんだ。 』
  
僕はここから、離れるのは得策じゃないことは分かっていた。
ここにいるなら、宿の主人がいるわけだから、問題が起きたときの
対応は主人がしてくれるので、自分にとっては有利だ。
自分が推測するに彼は自分が警察に連絡しているのではないかと
疑っている。彼が自分の持ち物を自分に渡して自分が金を渡した時点を
警察に見られたら、その時点で犯罪が成立すると思っていたのだろう。

僕はこの場を離れたら、自分が不利になることはわかっていたが、
彼の要求を飲んで、彼の要求した場所にいくことにした。
不利になる状況はわかっていたが、僕は事件に対する好奇心も
持っていた。

『  Vamos  』

僕はそう彼にいって、僕と彼はホテルポピュラールを
後にして、町の中心地へと歩いていった。

僕の後ろには宿の主人が何もせず、不安そうな顔をして立っていた。

僕と彼は一言の会話もなしに、町の中心地に向かって歩いて行った。
太陽の光は完全に落ちて、町の明かりでスペイン植民地時代に作られた
町並みが美しい。

僕は彼のことを警戒し、彼が奥まった人のきそうなない場所にいったら
ついていかないということと、彼との距離を2、3mほどあけて
歩いた。

ほんの数分歩き、彼が口を開いた。

『  Oye, Suba  』
2階に上がる階段を僕は彼の後に続いて登った。
そこはビリヤード場だった。

『 ここに俺のダチがくる予定だから、ちょっと待っててくれよ。』

僕は一言。

『  Bueno  』

といって、ビリヤード場にある待合椅子に腰をおろした。

それから、数分間、彼は落ち着きなく、店の中をうろちょろしていた。
僕はタバコを吸いながら、時がくるのを落ち着いて待っていた。

10分、20分過ぎたが、彼のダチは現れなかった。

『 おい。どうやら。ダチはちょっと、用事があるみたいで遅くなっているようだ。 』
『 ちょっと。ここをでようぜ。 』

『 友達がこないなら、俺はもう宿に帰るぜ。俺は待たされるのが嫌いなんだ。 』
『 持ち物は手に入ったら、宿に持ってきてくれればそれでいい。 』
『 もう疲れたから、宿に帰るよ。 』

『 アミーゴ。もうちょっとだから、きてくれよ。 』

『 さっきも同じことをきいたぞ。 』
『 まあ、これが最後だ。 』

自分としてはパスポートは帰ってきて欲しかった。
パスポートを再発行するには首都のボゴタまで戻らなくてはならないわけだから、
その費用と労力はここで渡すお金を超えてしまうし、
また何よりもパスポートを持っていないと
パスポート不所持で警察に捕まってしまうリスクがあるのだ。

しかし、ここで弱気になって
自分の手の内を明かしてしまっては
相手につけいられてしまう。
僕は強気を貫き通した。


『 よし、これで最後だぞ。 』
『 VAMOS!! 』

と僕はいって、彼の後を追って、
またカルタヘナの町を中心に向けて歩きはじめた。

歩いている途中、彼は僕に一言こういった。

『 Eres muy bravo 』

彼はどういう意味でいっているのかはわからないが、
いっていることは真実だ。

彼はカルタヘナのメインの通りから一本入った通りで足をとめた。

そして、あたりを見渡していた。
そこは周りが非常によく見える場所だった。

彼は僕にあったときから、右と左と周りをよく見ていたが、
これは警察が尾行していないかを確認していたのだろう。

そして、このような見晴らしのいい場所を選んだのは
警察がきたとしてもすぐに察知して逃げることができるからであろう。
と僕は考えた。

『 おい。金はあるのだろうな。ちょっと見せてくれ。』
『 わかった。』
といって、自分のズボンのポケットから1万ペソ十枚の10万ペソ(50ドルくらい)を彼に見せた。
日本の価値なら10万円くらいであろうか。

そんな話をしていると1人の奴の仲間と思われる男が現れた。
彼と話をすることもなく、またその場を離れた。

『 やつがちょっとしたら、
  道の反対側から現れてお前のパスポートを持ってくるから、
  俺たちも歩いていってすれ違いざまに金をパスポートを交換するぞ。いいか 』
『 わかった。早くしようぜ。 』

といって、僕は承諾した。

そして、数分後。僕とハエ男は道路の反対側に先ほどの男がもう一人赤いシャツを着た
乞食のような男がコチラに向かってくるのを発見した。

僕とハエ男は道の反対側に歩き出した。
相手の2人もコチラに歩いてくるが、どうやら彼らは口論しているようだ。
どうやら、赤いシャツを着た男が手に僕のパスポートらしき、赤いものを持っている。
2人はパスポートらしき赤いものを自分のもとにひっぱり取ろうとしている。

僕たちと彼らの距離は徐々に近づいている。

やはり、赤いパスポートを2人は奪い合っている。
そして、僕の隣りにいたハエ男もそのパスポートの奪い合いに参加しはじめた。

三人が赤い日本国のパスポートを奪い合っている。

1人の手に渡ったら、もう1人が取り返し、またもう一人が取り返すというような
ことをしている。

彼らは奪い合っているが、僕は自分のパスポートがあることが
わかって嬉しかった。

ないものは取り返すのは不可能だが、あるものなら取り返すことができる。

と思ったときだった。そのパスポートが誰からの手も離れて、地面に落下した。
しかもその地面は水たまりで、その赤いパスポートは水たまりに落ちた。

ああ。僕のパスポートが水溜りに(泣)

赤いシャツの男が素早くそれを拾って、
自分に赤いパスポートを見せて、

『 金よこせ!! 』

といってきた。
僕は赤いパスポートをすぐ彼の手からとり、そのかわりに
10万ペソを彼に渡して、早足でその場を去った。

彼らが自分のことを追ってこないかと彼らを見ながら、
早足でその場を去ったが、彼らは僕のことなんかより、
10万ペソに夢中で、その場で三人で10万ペソを奪い合っていた。

僕は無事にパスポートを取り戻すことができた。

宿に戻ると、主人がいつものように受付に座っていた。
僕をみるなり
『 大丈夫か? 』
と優しい声をかけてきた。

いざというときに手を貸さないやつに
僕は用はなかった。

僕は得意そうに赤く輝くパスポートを見せて

『 Todo bien 』

と一言いって足早に自分の部屋に戻った。

次の日に、銀行にいった。
例の黒人のお姉ちゃんのところに
『 トラベラーズチェックの再発行をお願いしたいのだけど 』
と声をかけた。

『 ごめんなさい。再発行は明日か、
  あさってになってしまいそうなの。
  もうちょっと待っててね。 』
  
と彼女は優しく答えてくれた。

僕は彼女がそういうのは分かっていた。
そして、黙って笑顔で彼女に輝く赤い僕のパスポートを差し出した。

『 あらっ 』 

と彼女は笑顔を見せた。

『 パスポートじゃない。どうしたの? 』

『 神様が届けてくれたんだ 』

と僕は答えた。

彼女は

『 Mentiroso 』( 嘘つき )

とかわいく笑顔を見せて、

『 ちょっと待っててね。すぐに再発行してあげるから 』

といって、奥のほうに入っていった。

そして数分たって、僕の眼の前に100ドル札60枚のトラベラーズチェックが用意された。

『 セニョール。お待たせ。できたわよ 』

『 早かったね ありがとう。』

と僕は答えた。

彼女は
『 パスポートもチェックも無事戻ってきてよかったわね。』
と僕に笑顔でいってくれた。

『 ああ。ありがとう。
  パスポートやチェックが戻ってきたのも嬉しかったけど、
  君に親切にされたほうがもっと嬉しかったな 』
  
と答えて、

『 Yo quisiera casarme con muchacha muy amabre y bonita como tu .
gracias y suerte!! 』
とお礼をいって、その場を後にした。
彼女は顔を赤くしてはにかんでいた。
たぶん嬉しかったのだろう。

宿のおばちゃんも
『 セニョール。
  パスポートが戻ってきたってきいたわよ。
  よかったわね。』

『 ああ。ありがとう。』
『 心配しちゃったわよ。もう』
『 ごめんね。心配させちゃって。』
彼女も嬉しそうだった。
人の笑顔をみて自分も嬉しくなった。

パスポート
パスポート
上の部分がすごい汚れています。水溜りに落ちてしまった僕のパスポート。 所有者を代えながら、自分のもとに戻るとは所有者に似てしぶといです(笑)
ということで、僕のパスポートと トラベラーズチェックは無事手元に戻ってきた。 とにかく 今回は一瞬の気の緩みで絶対絶命のピンチに陥った。 まあ、その原因は女性に再会したいと 理由で帰りを急いでしまったからに 他ならなかった。 僕は今回のこの事件で考えをかえた。 もしも彼女が僕のことを好きならば、 彼女は時間がたっても 僕のことを待っていてくれる。 と考えた。 そうして、僕はペレイラから遠くなるが、 民芸品で買いたいものがあった サンタマルタにもう一度戻ることにした。 人間万事塞翁が馬  と言うことわざがあるように、 まあ、そのときの不幸が 実は幸せに結びつくこともあるのだなと サンタマルタの2回目の滞在でそう思った。 2回目のサンタマルタは またまた楽しいことの連続で 話せることから 話せないことまでいろいろありました。 次回に続く!!
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ガラパゴス海亀アンディーの旅の話しのコーナー
アンディー どうも。ガラパゴス海亀のアンディーです。
一ヶ月以上もみなさんを待たせてしまって
女性ファンのみなさんには失礼しました。
アンディー 英則。お前しっかり更新しろよ!!
俺のファンが怒ってるぞ。
俺の彼女もジュリアーナもいつ出番なのってうるさかったんだぞ!!
ひでのり アンディー。
ごめん。ごめん
ちょっと。仕事が忙しくてごめんね。
仕事はしたけど、金は減ったという。7月は過激な月だったよ
アンディー ズコ〜。
飛ばしたな〜。7月も
8月は調子をかえてがんばれよって。
おっと、それより旅の話に戻るぞ。
しっかり、パスポートとチェックが戻ってきたな
ひでのり
奇跡だね。
まさか、戻ってくるなんて
思っていなかった。
まあ、現金と黄熱病の証明書は戻ってこなかったけど、
大切なものが戻ってきたので良かったよ。


アンディー 今回は、とにかく危なかったな。
チェックが現金じゃなくてよかったな。
ひでのり ああ。本当にそうだよ。
涙もんだね。
旅先だけに。
彼らは宝くじ当たったみたいに
嬉しいと思うけどね。
誰かの不幸は誰かの幸福ってことでね・・・
アンディー まあ、今回の解決方法はかなり強引だったな。
ひでのり 強引だった。 けど、もうああなったら、 金の力に頼るしか方法はなかったんだ。
アンディー まあ。結果的にはまあよかったけど。 ちょっと心配だったよ。 相手がいい人だったから良かったけどね。
ひでのり ああ。いい人だった。 自分が彼だったら、あんなにすんなり パスポートを渡すことはないと思う。 まあ、いい人でよかったよ(笑)
アンディー まあ、今回でちょっと頭が冷えたんじゃないか?
ひでのり 冷えました。
やっぱり、失敗は金と女に目が眩んだときに
一発で起こるね(笑)
アンディー まあ、英則はしょうがないよ。
金を稼ぐ才覚もないし
、 かっこ悪いから女にももてない。
まあ、欲に目が眩み失敗する運命になっている。
しょうがないよ。
俺みたいに金に苦労しない。
努力なしに女にもてるなら
そんな失敗はないけどな。
ひでのり この亀調子のりやがって(怒)
アンディー お前。なんかいったか。(ブチッ)
いいたいなら、男らしく
面と向かって大声でいえよ!!
ひでのり いえ。なんでもありません。
アンディー まあ、よかったな。
持ち物が帰ってきたしな
ひでのり ああ。よかったよ。
それでは、
みなさん。
次回お楽しみに!!
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ひでのりの旅で学んだこと
第 9 回 消えた6000ドルを取り戻せ 後編 2000年05月24日
ひで旅のメモ 寝不足のときや、疲れているときには、
とてつもない失敗を起こす危険にさらされている。
いつでも体調を万全にしておく必要がある。
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