モアイの誘い
ムーチャスエルテのジフ ムーチャ・スエルテはスペイン語で『がんばって』という意味です!!

トップページに戻る
前回の旅日記へ 旅日記の目次へ 次回の旅日記へ

ECUADOR
第 12 話
2800メートルの刑務所ガルシア・モレーノ1!!
2001年08月19日
プラザサンフランシスコ
スークレ
キトの旧市街の観光地
サンフランシスコ教会
滞在期間 7ヶ月を終えてコロンビアを追い出された僕は 8月の中旬からまたまたキトに戻ってきた。 コロンビアで遊びすぎて、 48時間以内に国外退去しなければならないという 印をイミグレで押されてしまったので、 コロンビアのカリから急いで、このエクアドルのキトへと 戻ってきた。 急いでいたので、 ゲリラに襲われるという 夜行バスに無理やり乗って エクアドル国境まできたのは、 かなりの命知らずの挑戦だった。 久々に戻ってきたキトはなんだか、 治安が悪くなったように感じた。 少しでも歩いたら、 ナイフを持った強盗が現れそうな 雰囲気だった。 僕はスークレに初日は泊まったものの、 あまりの日本人の多さにうんざりして、 2日目からはホテルエルナンに根城を移した。 僕が戻ってきて、嬉しがっていた ジャスミンやカルロスは行くのをとめたが、 僕はまあ、人が減るまで エルナンでゆっくりしようと考えた。 とりあえず、去年から一緒に過ごしていた 後藤さんと裕二さんが スークレに滞在していたので、 2人には帰ってきましたと挨拶をし、 お互いの旅の話で盛り上がった。 エルナンを選んだ理由としては、 スペイン語の力をつけるべく、 テレビを見たかった。 というのが理由のひとつでもあった。 それから、数日後、 僕は日本人の友達のMasaakiさんと 食事にでかけた。 Masaakiさんとは コロンビアのサンタマルタで 一緒にスキューバダイビングをしている仲だった。 道を曲がると。 警察が20人ほどの団体で こちらに向かってきた。 なんの騒ぎだろうと思っていると、 警察の1人が 僕たちに 『 パスポートを見せろ 』 といってきた。 僕はそのとき、パスポートを持ち合わせていなかった。 Tシャツにジーンズにサンダルという服装で 10ドル強の現金を持ち合わせているだけだった。 たぶん、Masaakiさんも一緒で 現金しか持ち合わせていない。 ちょっと食事をしにいくというだけだったので パスポートなど持っていなかった。 僕は直感的にこの状況はやばいと感じた。 それというのも、エスメラルダスで友達のMakotoさんが パスポート不所持で豚箱にいれられたことが 頭をよぎったのだ。 僕は確信した。 彼らの目当ては金であると。 僕はMasaakiさんに、 『 Masaakiさん。これはやばいです。   とにかく、スペイン語がわからないふりをして   このまま走って逃げましょう 』    とあわてて言った しかし、時すでに遅しで、 警察は20人ではきかないほどの 大人数で、僕たちはもう5,6人の警察官に囲まれていた。 僕はそれでも、あきらめてはおらず。 まだ逃げれる そう思い、 『 Masaakiさん。いきなりダッシュで逃げましょう。 』 とMasaakiさんにいったが Masaakiさんは悠然とこういうのであった。 『 坂本君。大丈夫。   俺たちは不法入国しているわけではないから   彼らも話せば分かるよ。   心配することはない。   ここで反抗するのはよくないよ。 』 自分とは逆の考えで   逃げる気持ちは毛頭ないらしい。 僕は1人で一瞬逃げようと考えた。 しかし、僕1人逃げることができても、一緒にいたことが 確実なMasaakiさんが捕まっていたら話しにならない。 僕は逃げるのを断念した。 『 パスポートはどこだ 』 と警察はきいてきた。 『 今は持っていません。今ちょうど食事を食べるために  ホテルをでたのです。パスポートはホテルにあります。  ホテルはここから見えるあのホテルです。  お手数とは思いますが、あのホテルまでついてきてください。  見てください。ここから見えるあのホテルです。  パスポートはありますから。』 と僕は言ったが、 警察はそんなことはおかまいなしといった様子で 『 今、ないなら駄目だ。  これから、一緒にきてもらう 』 僕に2人の警官がつき、1人がTシャツの左の裾をつかみ、 もう1人がTシャツの右裾を乱暴につかみはじめた。 そして彼らに連行されはじめた。 警察の大団体の中には、僕たちのように 身分証明書なく、捕まっているエクアドル人が 数人いた。 連行されているときでも 歩きながら、僕はこんな状況に及んでも逃げることを考えていた。 が、Masaakiさんは話せばわかるの 一点張りで動こうとはしなかった Masaakiさんの考えがかわらないのを確認して 僕はもう逃げることは不可能なので もう、このままなるようになるしかないと 腹をくくった。 5月24日通りのほうに向かいながら、 ついには警察の駐屯所に着いた。 駐屯所の中の奥に3メートルほどの三角スペースを利用した 鉄格子があり、 その中には人が溢れんばかりにはいり、 言葉にならない言葉が行き交っていた。 どうやら、自分もこの鉄格子の中に 入ることになるらしい。 その鉄格子の中に入る前に 一人一人、持ち物検査が始まった。 僕は壁に両手をつけという命令どおりに 両手に壁をつけた。 そして、警察官の1人が僕のジーンズのポケットの中に手を入れて 中身を調べ始めた。 僕のジーンズの右後ろポケットには 10ドル札と1ドル札が2,3枚入ってたのだが その警察官はその札を発見し、 その札をそのまま、自分のポケットに入れてしまった。 僕はこの行動に憤慨し、その男に食ってかかった。 『 Ladron!! Devuelve mi dinero !! 』( 泥棒 、金返せ!!) 僕は金を持って逃げようとするその警官を捕まえたが、 すぐさま他の警察官に囲まれ、腹、そして肩を 強打された。。 『 El robo mi dinero 』( 彼が俺のお金を盗ったんだ ) と叫ぶやいなや、僕は3人の警官に抑えられ、 下腹部に強打を入れられた。 一人の警官にいたっては 棍棒を上段に構えて、一発いれてやるくらいの勢いがあった。 やってやろうじゃねえか。 と気合いが入ったところだが、 こんなところで騒ぎを起こしたところで 自分を追い込むだけなので 反抗をするのをやめた。 そして、僕は自分の持ち金を完全に失ってしまった。 その後、僕は人の山で 一寸の余地もないような鉄格子の中へ入れられた。 こんな狭い中に何十人もの男が入れられている。 中にはいっている男に 『 なぜ。俺がこんなところに   入らなければならないんだ。   早くだせ 』    と怒鳴る男がいた。 と、そのときだった。 警察の1人が煙の出ている瓶を鉄格子の中に投げ込んだ。 『  Cuidado!!  』( 気をつけろ!! ) という声が聞こえるか聞こえないかのうちに 皆が両腕で顔を覆った。 僕もそれを真似てすぐに顔を両腕で覆った。 ざわめいていた鉄格子に静寂が走る。 これだけ、狭いところでの催涙弾だけに 効果は強力である。 僕は目をつぶりながら、呼吸を必死で止めた。 1分、2分たち、鉄格子には咳をする男や 涙を流す男で溢れていた。 僕は幸いにも、苦しい思いはしなかった。 しばらくすると 隣で便意に耐えれない親父が 小便をしだした。 この足の踏む間もないようなところでの 排泄行為は危険である。 僕は床に流れる尿をかわした。 そして、他のものも素早く尿をかわしているようだった。 しかし、その尿の流れたスペースは 踏んではいけないという暗黙の了解のスペースになり、 狭い部屋をなお一層狭くしてしまった。 恥の気持ちもなく、気持ちよく笑っているのは その親父1人だったが、 誰もこの状態では彼を責めることはできなかった。 その尿はそれから、においとして僕たちを苦しめることになった。 鉄格子にはいってから、2時間ほどたっただろうか。 警察官の1人が 『 おい。お前ら。移動するぞ。   隣の奴と手をつなげ。絶対に手を離すんじゃねえぞ 』    と命令をはじめた。 捕われた男たちは隣のものと手をつなぎ、 鉄格子からでることになった。 そして、駐屯所をでると、その前には浅緑色の軍用バスが停まっていた。 『 お前ら、そのバスに乗れ!! 』 『 顔を人に見せるな。下を向け 』 と高慢な警察の怒鳴り声が響く。 バスのまわりには、エクアドル人の野次馬たちが 何の騒ぎだろうと僕たちのほうを見ていた。 バスに乗ると、奥の席から順に詰めてのるように 指示された。 そして 『 おい。豚ども。顔を下に伏せろ。上を絶対に見るなよ 』 と警察官がどなり、何人かの男の頭を強く叩いていた。 そして、1人便意を我慢できないという男性が警察官に頼み、 小便をすることになったのだが、 バスの真ん中の乗車口のところでしろといわれ、 そこで小便をしたのだが、 そのあとだった。 警察官がその男にこう言った。 『 おい。お前がだしたものだから、お前が始末するんだぞ。   このバスを清潔に保たなくてはならんからな。   そのだしたものをお前が吸って掃除しろ 』    その言葉に反応してか、バスの中の男たちの 身動きがとまり静寂が走った。 尿を終えた男の顔はその言葉を聞いて青ざめていた。 彼は床にはいつくばろうとした。 が、そのとき、 『 おい豚。今回は特別に許してやるよ。とっとと席に座れ 』 と警察官が人を馬鹿にしたように荒っぽくいい放ち、 その男は人に顔を見せないように席に戻った。 年下の警察官にいいたいように言われ 人に顔を見せたくないほど、 プライドを傷つけられたのだろう。 それから僕は警察のいうことをきいて、 顔を下に伏せていた。 『 おい。お前ら、これからこのバスは刑務所に向かう。 』 と警察官の一人が説明をはじめた。 そして、数分後バスは動き始めた。 バスが移動したのは5,6分だろうが すでに自分がどこにいるのかはすでにわからなくなっていた。 警察官が 『 お前ら。金を持っている奴がいたら、   家族と連絡をとらしてやるぞ 』    とどなっていた。 残念ながら、自分は無一文になっていたのだが、 どうやら、僕の後ろの席に座っていたMasaakiさんが いくらか、持っていたようで電話をかける権利を買ったようだった。 Masaakiが警察に連れられたバスの外にでるときに、 僕も特別にバスの外に出られることになった。 Masaakiさんはスペイン語が堪能であったが、 故意にスペイン語を話せないふりをして 自分を通訳という名目でよんだのだ。 そうしてMasaakiさんとやっと話すことができた 英:『 Masaakiさん。お金もっていたんですね。   けど、いくら電話に払ったんですか?』 マ:『 5ドル。払った。』 英:『 え。5ドルも。』 英:『 それで今、お金はいくら残ってますか? 』 マ:『 2ドルかな 』 僕はその残りの金の少なさに落胆したが、 とりあえず、外部に捕まったことを 知り合いに知らさなければならない。 知り合いに知らせなければ刑務所から 脱出することはできないからだ。 エスメラルダでの事件で 今回の事件の解決のしかたも なんとなく見えていた。 Masaakiさんと僕は2人でどこに電話するべきか、 悩んだ。 電話するのに5ドルも払ったのだが 一ヶ所にしか電話することは許されていなかった。 日本大使館という選択肢も頭の中に浮かんだが、 自分たちで何とかしてくださいと 言われるのがおちだろう。 隣の警官は 『 おい。3分だけだぞ。早くかけろ 』 と僕たちをせかした。 この通りにある公衆電話の 料金なんて1分10円以下で たかが知れているのに 5ドル ( 約550円 ) もとるとは。 もちろん、その差額が 彼らのような下級警察官の 不当な稼ぎとなるのだ。 Masaakiさんのポケットに なんと偶然ホテルスークレの 名刺がはいっていた。 2人はここしかないと思った。 僕はすぐに 9.......... .......5........4........0.... .............. ...........2....5.................. と黒電話を回しはじめた。 『 ツー・ツー・ツー 』 電話が鳴る。 そして、 『 アロー 』 と聞きなれた男の声が響く。 英:『  Hola.Carlos.Como estas?    de parte de Sakamoto 』    ( おっす。カルロス。元気?坂本だけど )    『  auxilio. por que estoy      en la policia causa de sin documento  』    ( 緊急事態発生。今、身分証明書を持っていなくて警察にいるんだ。 )     カ:『 AHOTARE KUSOTARE 』    ( あほたれ。くそたれ )     カルロスはいつもと同じ言葉を発したが、 洞察力が鋭く、状況判断の優れたカルロスは 僕がピンチであることをすでに察したようだった。 英:『  Por favor ,Goto 』    ( 後藤さんをだしてくれ )     カ:『 Momento 』  ( ちょっと待ってくれ ) カルロスの声は真剣なものに変わっていた。 『   GOTOOOOOOO    』 『      GOTOOOOOOO        』 と叫びながら、カルロスは屋上に向かって 後藤さんを呼びに階段を登り始めたようだった。 隣の警官は 『 おい、チャーハン野郎。早くしろ。3分だけだっていったろう 』  注:ここで僕のチャーハン野郎と呼んだのは        東洋人を見ると中華料理屋のチャーハンを        エクアドル人が連想するからである。        東洋人→中華→チャーハンというのも        かなり貧しい発想だと思うが・・・         と腕時計を僕の目の前に強引に持ってきた。 こういうときの時間はすぐに過ぎる。 あっという間に2分を過ぎ、残り30秒になったころ、 後藤さんがでてくれた。 後:『 坂本君どうしたの? 』 英:『 後藤さん。大変です。実は警察に捕まりました。』 後:『 え。警察に捕まった!!』 英:『 はい。この前お話したMakotoさん状態です。     パスポート持ってなくて     僕と友達のMasaakiさんが捕まりました。     それで2人のパスポートを持ってきてほしいんです。』 後:『 それで、どこにいるの?』 英:『 自分でもよくわからないのですが、     刑務所の前にいます。     たぶんベインテ・クワトロの近くだと思います』 後:『 それでパスポートはどこにあるの? 』 英:『 2人のパスポートはエルナンの部屋に・・・・・・』    ツーツーツー・・・・・・・ 警察官の指が受話器を置く白い部分にのっていた。 『 Ya、tiempo 』( もう時間だ )   とその警官は得意そうに一言、僕に向かっていった。 そのときには, まわりは完全に暗くなっていた。 一度バスに戻ったが、そのあと、すぐに 鉄筋でできた壁の高さが異様に高い建物の中へと 入れられた。 自分の恐怖感が壁を異常に高くみせていたのかもしれない。 建物をはいるとそこには 3階建ての鉄筋コンクリートの建物がそびえていた。 そして、その半分は鉄格子になっており、 自分たちが入るやいなや黒人たちが、 『 おい。お前ら金よこせ!! 』 『 おい。中国人。よくきたな。金よこせ!! 』 と動物園のサルのようにわめいていた。 奴らの顔は悪人顔とよぶのにふさわしい顔であった。 目がすわっており、何をみているのか どこを見ているのかわからないようなかんじなのだ。 刑務所の中で鉄格子の中の黒人たちに野次られながら、 名前や年齢などを聞かれる順番を待っていた。 すると、臆病なエクアドル人の若者が 僕に 『 セニョール。俺たち友達だよな。   もしも中で何かあったら俺たち助け合おうと 』 と弱気なことをいってきた。 『 ああ。わかった。 』 と僕は適当に答えておいた。 というのも、こんな臆病なやつと 組んだところで害にはなれ、 なんの得にもならない。 自分もあの黒人たちを見て、 覚悟した。 もう自分は助からないと まさか、こんな地球の反対の異国の地で 犯罪者たちに自分の大事なバージンを奪われることに なるとは思ってもいなかった。    次回予告:パスポート不所持の罪でキトの刑務所に         入れられた日本人二人の運命はいかに!!         凶暴な黒人たちとの刑務所での生活が始まる  次回お楽しみに!!
  ページトップへ戻る
前回の旅日記へ 旅日記の目次へ 次回の旅日記へ

トップページに戻る

Copyright 2002 www.mucha-suerte.com All rights reserved.