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刑務所ガルシア・モレーノ
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刑務所の入り口。
連れてこられたときには
もう暗くなっていたので
恐怖感を増長させた
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刑務所は高い白壁で囲まれ
中の収容所は鉄筋の三階建てになっていた。
標高2800メートルにあるというのに
なんと壁の半分は鉄格子でできており、
建物の中といえど、外にそのままいるのと
同じような状態になっていた。
すでに日は落ちており、中にはいっている黒人の
目の部分だけが白く不気味に光っている。
また言葉にならない声が刑務所の中から
聞こえてくるため、そのうめき声が自分の恐怖心を増幅させた。
今、自分たちは列を作って並ばされているが、
どうやら自分たちの身元調査をするためらしい。
刑務所の中にいるのは
ほぼ全員が黒人だ。
あんな、奴らと一緒になったら
絶対やられる。
奴らの顔は生まれながらにして
悪の顔をしている。
目に輝きというものがないのだ。。
悪人の目というのは、獲物をとらえようとする
肉食動物のようである。
しかし、彼らの目には野生の動物のような気高さはない。
私は20数人いた中で一番最後に
身元調査を終えた。
係:「 名前は? 」
英:「 Hidenori Sakamoto 」
係:「 国籍は?」
英:「 日本 」
係:「 生年月日は? 」
といったような問答を終えて
最後には
「 おい、チャーハン
終わりだ。早くあっちに並べ 」
といわれて、列に加わった。
チャーハンというのは
東洋人を見たら、
中華料理で彼らがよく食べる
チャーハンを想像するのだろう。
アメリカ人を見て、ハンバーガー
イタリア人を見て、パスタと
想像するのと同一のものだろう。
人が困っているときに、こんな
ギャグみたいなことをいいやがって、
内心、ムッとしていたが、
腹を立てたところで
立場はより一層悪くなるので
適当に流しておいた。
刑務所で働く下ばたかりのものが
身分証明書を持ち合わせていなかった
哀れなエクアドル人の頭をひっぱたき、
暴力をふるっている。
弱いものはとことんまで、やられる。
世の中というのは恐いものだ。
「 おい。豚。早くいけ 」
と私も皆と同じように肩を強く叩かれた。
権力をバックにいきがる
この男はいったいどういう神経をしているのだろう。
全ての人は叩かれながらも、
どうすることもできない。
ここでは、権力が全てなのだ。
全員の調査がすみ、
人を家畜のように扱う男が
下品な声で
「 おい。お前ら。
これから中にいれてやるから
俺について来い。 」
とどなった。
刑務所の一階では、数人の黒人が
「 お前ら。金よこせ!! 」
「 出すなら今のうちだぜ。あとで見つけたら容赦しねえぞ 」
などと言って、新入りの僕らを威嚇していた。
まずはリンチからはじまるのか・・・
と明日のジョーで主人公が少年院?に入る
ときのシーンを思い起こしていた。
ちょっと想像力が豊かすぎるかもしれないが、
私はリンチにあうことも覚悟していた。
そして、なによりも心配だったのが、
食をどうするのか・・・
ということだった。
友達によると、食事は刑務所で働いている人に
お金を渡して、買ってきてもらうことになっている
という話しだったので、一文無しになってしまった
僕は食にありつくことができない・・・・のでは
という恐怖心に襲われていた。
入ってから、リンチを食らうとしても
黄色人種で目立つから相当
やられるだろうなあ。
恐怖感が増幅されていった。
最後は珍しさに・・・れるのでは
回されるんだろうな・・・
考えれば考えるほど
悪い方向に考えは進んだ。
私は列を崩さず刑務所の入り口に
歩いていった。
その刑務所は3階立てで、
窓は、鉄格子できているから
中の様子は一目瞭然だ。
きっと、見張りやすくするため
このような作りになっているのだろう。
一階の階段付近に近づくと
「 上へ上れ 」
という指令がでた。
どうやら自分たちが入れられるのは一階ではないらしい。
これにはホッとした。
あのような凶悪な人たちと
一緒になったら、
かよわい(?)僕では生き延びることはできない。
階段を上って
二階につくと、
そこには、また鉄格子の中から
黒人たちの顔がのぞく
「 おい。中国人。面みせろ 」
と中からドスの利いた声が聞こえてくる。
しかし、1階の囚人に比べると
体格も小さく、貫禄もないかんじだった。
ただ口と顔だけはべらぼうに悪い。
しかし、2階にいるのも
全員が黒人のようだった。
そろそろ入るのかと思ったが、
「 上にあがれ 」
という声が聞こえて来た
どうやら自分たちの団体は最上階の3階に入れられるらしい。
3階に着くとその男が鍵をあけて
中にはいれと指令をだした。
「 豚。早く入れ 」
僕たちは列を崩さず
中に入っていった。
全員が入り終わり、
広い刑務所の真ん中に2列に並べられた。
目測で20人以上は我々よりも
先に入っているものが
たちがいた。
彼らはほぼ大多数のものが
メスチソで黒人はいなかった。
その中の1人でリーダーのような
若いメスチソの男が我々の前に現れた。
普通に町で見かけるようなふつうの青年の
ようにも見える・・・が
能力は高そうに見えた
この男はいったい何者なのだろうか?
彼は我々に向かって
「 紳士諸君。ガルシアモレーノへようこそ 」
と、大きな声で話し始めた。
「 ここにはここの規則がある。今からそれを守ってもらう 」
みな、一階の黒人たちの迫力に圧倒されているのと
刑務所という特殊な場所に入った恐怖のため、
顔は青白くなっており、
緊張のため直立不動の状態になっていた。
みな、どのように対応していいのかわからなくなっているのだ。
ただ、できれば不利益を被りたくないので
順応性を見せることに必死になっている。
若いリーダー格の男は新しいものが入ってくることに
慣れているようで、他の男たちも彼の様子をそのまま見ていた。
「 よし。点呼をはじめる 」
「 右から。はじめ!! 」
と若いその男は私たちに指示した。
「 ウノ 」( 1 )
「 ドース 」( 2 )
「 トレース 」( 3 )
と気の入った声でみなが反応する。
私も自分の出せるできるだけ
勇ましい声で
「 オンセ ーーーー 」( 11 )
と張り上げた。
私はとにかく、目立たないように
目立たないようにすることにした。
新しい場所にきたときには、
目をつけられると、
ろくなことにならないということは
直感的にわかっていたからだ。
新しいところに入ったら、
自分より前にいた人に敬意を示すのが
一番の策であるというのは認識していた。
しかしこの肌の色は
明らかに目立つ。
それが自分を不安にさせた
リーダーらしい若い男は
みなが礼儀正しく、
かつ誠実に大声を張り上げる姿を
見て、
「 よ〜し。いい声だ 」
「 もう一度繰り返せ 」
と満足そうに命令した
我々捕われたばかりの
哀れな羊たちは、その命令に従い、
力の限り大きな声で自分の割り当て番号を
張り上げることしかできなかった。
次回予告:刑務所の中で不利益を被らないために
必死で声を張り上げる新囚人生たち
刑務所の中の張り詰めた空気に
直立不動になっている新囚人生たちの運命はいかに!!
次回お楽しみに!!
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