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管理人
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捕まった管理人
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新しく入ってきたものたちの
順応性はすばらしかった
これも全て恐怖感からきているのであろう
誰を信じていいかわからない。そして
何が起こるかわからない。
この環境では従うことが最適な選択だろう
点呼はまるで軍隊であるかのように
威勢良く、そしてスムーズに行われた。
リーダー格と見られる若い男が
自分たちの前の右に左に歩きながら
落ち着いた口調で話しをはじめた。
「 紳士のみなさん。
みなさんは何かしらのことをして
ここにきてしまったわけです。
あなたたちは今連れられてきたわけだが、
私たちはもっと前にここに入っている。
我々のほうが先にここにいるわけだが、
先にはいっているものが、
後からはいってくるものに
何をしようということは全くないので
安心して欲しい。
ベッドと呼んでいいかわからないが、
ご覧のとおり、部屋には
一応備え付けのベッドがある、
その空いているところを使ってくれ。
それでは、以上。 」
と、その若い男は慣れたかんじで
話しはじめ、あっというまに話を終らせた。
彼の話が終って、みながどうしていいか
わからず困惑していたが、
「 もう自由にしていいぞ 」
とリーダーがいい放ち、
みなが、おそるおそる
まわりの人の顔色をうかがいながら
まばらまばらになっていった。
ベッドといっても、鉄パイプで
できた2段の鉄組みに熱いベニヤの板を載せてある
お粗末なものだった。
この部屋の半分は鉄格子でできているのだから、
これでは、寒さをふせぐことはできないだろう。
これから、寒さがどんどんと増してくるだろう。
それらのベッドは部屋の回りの奥と手前に15個ずつ
ほど並んでいるのだが、真ん中のベッドの
ベニヤ板は2段とも外されていて、
部屋の四隅にあるベッドに
立てかけられていて、風を防ぐようになっていた。
もちろん。僕とMasaakiさんの
ベッドはなかった。
立ちながら、ぼけっとしていると
穴が複数空いているぼろぼろのシャツを着た
黒人の血が多く入っているだろうと
思われる若い男が話しかけてきた。
「 おお チーノ 元気か? 」
「 どうした。こんなところで 」
顔だけでなく、話し方も下品な男である。
私は答えるとともに彼に質問をした
「 ああ。ちょっと問題があって
警察に捕まった。
「 ところで、アミーゴ 君はどうしてここにいるの? 」
すると、彼は臆面もなく
「 おおよ。俺は泥棒で
ちょっと、へまやっちまってここにいるんだ 」
「 おお。ところで、アミーゴ 金もってないか
ちょっと持ってたら、貸してくれよ 」
といってきた。
「 アミーゴ。申し訳ないが
僕は有り金を全部警察にとられて
一文無しなんだ 」
「 1ドルでいいから 」
と続けていたが、
これ以上、かかわってもしょうがないので
その場所を離れた。
僕の不安はなんといっても
お金を持っていないことだった。
もしもお金を持っていれば、
人を金で使うことができるので
これほどの不安はわかないだろう。
半年前はMakotoさんがパスポートを
持っておらず、
刑務所にいれられ、
自分が弁護士の書類を持って
開放した。
そのときは、開放するより
刑務所に入ったほうが
どれだけいい経験になっただろうと
思ったが、こうして、自分が
実際入ってみると、入ってみたいなんて気持ちは全く起こらない。
とにかく、一分先さえも
想像できない、この状況はつらかった。
朝から何も食べていなかったから、
腹がへってしょうがなかった。
腹が減っているのはMasaakiさんも一緒だろう
しかし、Masaakiさんの持っている
このなけなしの2ドルは
極限になるまで使うわけには
いかない。
ここで働いているものの話によると
日曜日は弁護士は休んでいるから、
開放されるのは
どんなに早くても月曜日の
午後ということだった。
後藤さんは果たして、
それまでに、自分たちがいる
この場所を発見することができるのだろうか。
そして、それまでに
自分たちは飢え死しないだろうか。
凍死しないだろうか。
Makotoさんによると
食べ物は、刑務所で働くものに
金を渡して買ってきてもらう
ことになっているとのことで
配給はないとのことだった。
まずは耐え切れる
極限まで我慢する以外
選択肢はない。
僕とMasaakiさんは
配給はないかと
期待して待っていたが
2,3時間しても
配給はなかった。
まわりの人間は
特に喋ることもなく
ベニヤのベッドに横になっていたり
座っていたりしているだけだった。
さすがに2800メートルだけあって、
寒さが身にしみる。
2人は壁にもたれて座っていた。
コンクリートに直に座っているので
寒さがお尻から伝わり、
体全体を冷やす。
寒くなったら、立ち上がり、
近くを歩いたり、
腕を振ったり、足を振ったり
屈伸したりして
体を温めた
こうしているうちに、
まわりのものは、
眠りはじめているようだった。
自分たちはどうすることも
できないまま、
その場に座っていたのだが、
奥のほうから、ブスっとした
顔の男が自分たちの目の前にやってきて
「 ちょっと、こい 」
といってきた。
まさか、好きものの
男がいて、目をつけられたのか・・・・・
と自分は悪い予感を感じた。
無視してとぼけようとしたが、
自分たち2人の目の前で
こういっているのだから
とぼけようがない。
ついにこのときがきたか。
この状況で逆らってもしょうがないので
覚悟を決めた。
その男は先ほどやってきた方向に
振り向いて、ついてこいという。
彼の後ろをついていき、
部屋の奥までいった。
ベニヤ板が大量に立てられ
風を防いでいる、
この部屋の中では上等である
ベッドの前に着いた。
果たしてこの中で何が自分の身に起こるだろう。
風を防ぐためだけでなく、
悪事を見られないための効果も
このベニヤの板が果たしているのだろうか。
彼の次の指示に神経を集中していた。
彼の口が動きはじめた
「 お前らの後ろのベッドの
上の段は誰もいないから
2人で使っていいよ。」
なんと・・・・・
自分が思っていたこととは
全く違っていた。
いい意味で予想は外れたのだ。
ベニヤ板が縦に建てられ
風が入ってこないベッドに寝てもいいと
いうのだ。
自分たち2人は
その紳士に
「 セニョール。ムイ アマブレ
ムーチャス グラシアス 」 ( ご親切。ありがとうございます。 )
と礼をいった。
そして、一階で寝ている
人を起こして、
立てかけられたベニヤを空けてもらって
一階部分から2階部分によじ登って
自分たちのベッドに横になった。
風を防いでいるベッドとは
いうものは寒さはすさまじく、
寒さのため、眠れる状況ではなかった。
「 Masaakiさん。寒くないですか? 」
「 寒い 」
「 坂本君。寝た? 」
「 いえ。寒くて眠れません 」
眠れず、そんなやり取りをしたり、
無理やり眠ろうとしたが眠れず
何時間も過ぎていった。
ベッドの2階にベニヤ板の上ということも
あって、動くことができず、
自己発熱できないので
依然、寒さを感じる状態は続いた。
とにかく、寒くて眠れない。
すると、数人の足音が聞こえはじめた。
どうやら、寒さ対策のために、
歩いて体を温めようとしているものがいるようだった。
ベニヤとベニヤの間から、のぞいて見ると
10人近くの男たちが、部屋の真ん中あたりを
両手を交差させて体を小さくしながら
歩いていた。
足音はうるさかったが、
そのことをうるさくいうものはいなかった。
みな、寒さでそれどころではないのだろう。
自分たちも眠れないままだった。
寒いながらも
時間は過ぎていった。
・・・・
・・・
・・
眠れないまま、朝を迎えた。
そして、
ここで働くものが牢屋の鍵を開けて中に入ってきた。
「 おい。お前ら朝だ。起きろ
これから、点呼をとるから下に下りろ 」
と大きな声で命令した。
一睡もすることはできなかったが、
眠さは全く感じなかった。
きっと、今まで経験したことのないことに直面していたため
その緊張感が眠りたい気持ちに勝っていたのだろう。
そして、僕たち囚人たちは、
みな並んで階段を下に降りていった。
次回予告:眠れない一日が過ぎた二人!!
食事を取れないこの状態で体力は続くのか?
果たして助けはくるのか?
次回お楽しみに!!
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